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歯磨きする時間はいつ?「食後30分説」に歯の専門家がNGを出した理由

歯科衛生士

みなさんは食後どのくらい時間をおいて歯磨きをしていますか?

以前テレビ番組などで「食後30分は歯を磨かない方がいい」と紹介されて以来、食後の歯磨きはしばらく時間をおいてからという人も多いようです。しかし、歯の専門家たちはこの「歯磨きは食後30分後がいい説」に対して反論していることをご存知でしょうか。

 

この記事では、

  • 食後はすぐに歯を磨いた方がいいのか
  • それとも30分くらい時間を置いた方がいいのか
  • その理由はなんなのか

このような内容について、専門家の意見も交えながら分かりやすくお伝えしていきます。

「歯磨きは食後30分後がいい説」とは?

歯磨き

みなさんも食事の後は歯磨きをすると思いますが、食べた後にすぐ歯磨きをするという人が多いと思います。

ところが2006年頃から「食後すぐに歯磨きをするのは歯によくない」という説が浮上してきました。

食事直後は、食べ物の酸によって口の中が酸性に傾くのですが、このとき歯の外側を覆っているエナメル質が一時的に柔らかくなるということが海外の研究で明らかになったためです。

この研究結果を根拠に、

  • 食後すぐに歯磨きをすると大切なエナメル質を削り落としてしまう
  • 柔らかくなったエナメル質が再び硬くなる約30分後の歯磨きが望ましい

とバラエティ番組で放映されるようになりました。特に視聴率や人気の高いNHK「ためしてガッテン」で取り上げられた2010年9月以降、「歯磨きは食後30分後がいい説」が急速に認識されるようになります。

 

歯の専門家たちは「歯磨きは食後30分後がいい説」に反論

歯科医

テレビ放映の影響で、「食後すぐに歯を磨くのはよくない」という風潮が急速に広まっていく中で、日本小児歯科学会をはじめとする歯の専門家たちは警鐘を鳴らしています。

下記は日本小児科学会の公式ホームページで発表された内容を抜粋したものになります。

最近になって、食後すぐに歯をみがくと、あたかも歯が溶けてしまうというような報道が新聞やテレビで伝えられたため、現場がやや混乱しているようです。

 

これらの報道のもととなったのは、実験的に酸性炭酸飲料に歯の象牙質の試験片を90秒間浸した後、口の中にもどしてその後の歯みがき開始時間の違いによる酸の浸透を調べた論文で、むし歯とは異なる「酸蝕症」の実験による見解なのです。

 

(中略)

 

歯みがきをしないままでいると、歯垢中の細菌によって糖質が分解され酸が産生されて、歯が溶けだす脱灰が始まります。このように、歯垢中の細菌がつくる酸が歯を脱灰してできるむし歯と、酸性の飲食物が直接歯を溶かす酸蝕症とは成り立ちが違うものなのです。

 

結論としては、通常の食事の時は早めに歯みがきをして歯垢とその中の細菌を取り除いて脱灰を防ぐことの方が重要です。

 

出典:一般社団法人 日本小児歯科学会

 

この発表内容のポイントは下記の3つです。

  1. テレビで放映されている内容は虫歯とは異なる酸蝕症の実験による見解のため、普通の食事をする人には当てはまりにくい
  2. 実験は歯内部の象牙質で行われているが、歯表面のエナメル質は酸に対する抵抗性が象牙質よりはるかに高い
  3. 食後は早めに歯磨きをして、虫歯の原因となる歯垢や細菌を取り除いた方がいい

日本小児歯科学会は、テレビ放映の根拠となる実験は普通の口内環境の人には当てはまりにくく、虫歯予防を考えるならむしろ食後すぐに歯を磨くべきだと指摘しています。この件については今後も詳細内容を提供していくとのことですが、この発表に訂正や追記がないことから、現在も見解は変わらないようです。

また日本小児歯科学会以外にも、多くの歯科クリニックのホームページで同じ内容の考察が記載されています。歯の専門家が揃って発信している情報ですので、現在の研究結果からは日本小児科学会の考察が有力と考えてよいでしょう。

 

歯磨きの時間は食後すぐがいい理由とは?

歯磨き

日本小児歯科学会の考察で「食後は早めに歯を磨いた方がよい」理由をもう少し詳しく説明します。

虫歯の原因となるミュータンス菌は、食べかすなどに含まれる糖質を使って、歯垢の内部に酸をつくり出します。この酸が歯の成分であるカルシウムやリンを溶かし虫歯が発生します。食後の歯磨きを遅らせるということは、その間に多くの酸が作り出されることが考えられますので、それだけ虫歯になる可能性が高まってしまいます。

このような虫歯になりやすい環境を防ぐためには、早めの歯磨きがポイントになります。口の中に酸が大量に作り出される前に、歯磨きで食べかすや細菌を取り除くことが何よりの虫歯予防になるわけです。

 

また歯磨き粉のほとんどに配合されている「フッ素」には、虫歯菌の働きを抑制したり、歯のとけた部分を補修する働きもあります。いち早く歯にフッ素を届けることも虫歯予防になりますので、やはり食後はすぐに歯を磨いた方がいいですね。

フッ素の効果については下記の記事で詳しく説明しています。

 

食後はすぐに歯磨きをしない方がいい場合

炭酸飲料やスポーツドリンク、柑橘類など酸性のものを口に入れた直後は、一時的に歯のエナメル質が柔らかくなり、いつもより歯が傷つきやすい状態になります。このような場合は食後すぐに歯を磨かずに、口をゆすぐ程度にしておきましょう。一般的には唾液の作用により30分から1時間程度で口の中が中和するので、そのあとに歯を磨いた方がよいそうです。

同様に、酸蝕症と診断された人、また疑いのある人も、酸性度の高い飲食物をとってから30分から1時間たってから歯磨きしたほうがいいでしょう。

 

まとめ

食後の歯磨きをする時間について紹介しましたがいかがでしたでしょうか。

現在も「歯磨きは食後30分経ってから」という人も多いそうですが、虫歯予防を考えるなら食後はすぐに歯磨きをして、虫歯の原因を取り除いた方がいいというのが専門家の意見です。現状は「食後はすぐに歯磨きをした方がいい」ことを頭に入れておきましょう。

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